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Rev.02.01


●BodyStudio 2.6 導入
について 


 
今回も、あまり他の人には役に立たない内容で恐縮(笑)。

 先ずは「BodyStudio」をご存じの方がどれくらいいるだろうか?と言うことで。
 まぁ、簡単に言うと「Cinema4D へ Poser フィギュアをインポートするためのプラグイン」です。
 Poser と Cinema4D(以降、C4D と略記) を連携して使うと言う人が先ず少数派なので、知らない人が多いのも無理はない。まぁ、このソフトは「3ds Max」や「Maya」へ Poser フィギュアをインポートするための製品もラインアップしていますが。
 もう一つ、話題に上らない理由は(購入してみて分かったが)、『英語版』Poser でないと動作しないからでしょう。
 インストールする際にわざとターゲットに「Poser5J」や「Poser6J」を指定してみたけど、インストーラーがエラー吐いて強制終了しました。C4D の方は英語版の表示を日本語化していると言う仕様のため、問題ないです。

 そもそも、コレに手を出そうと思いついたのは、Poser6 英語版の購入を考えたのがきっかけでした。
 ここで配布しているモデルは今のところ、日本語版でしか動作確認が出来ていないので英語版でも動作確認を、と言うのが第一動機(※Mac版での動作確認は未来永劫考えませんので悪しからず)。
 P6E が入手出来れば、SR3 のタブレット対応もテスト出来るぞ!と言うのが第二動機。P*J に対して、P*E の方が(※“*”部分はバージョンNo.)動作が軽いって本当?が第三動機…。そんな感じで、e-fro.America の Web-store を眺めていたら、BodyStudio を再発見したわけで、ちょうど P6E とのセットだと $79.99 値引きで、$349.99 で売っていたのを発見した訳ですが。
 あとで BodyStudio の販売元サイトを見たら、P6E とセットで $100 引きで $329.99 で売っていたのを見つけたって言うのは内緒の方向で(笑)。
 BodyStudio の効能書きを斜め読みして、ついでだから買っちゃえ〜と、クリックしたのが先週末のお話。


 さて、この手のデータトランスファツールとしては、C4D に対しては Kuroyume氏の「InterPoser」と言うプラグインが有りまして、そのフリーの機能限定版を使ってもいました。
 只、機能限定版である InterPoser LTD. は Poser5 以降の機能である DC/DH には対応していないのです(※DC/DH対応予定の InterPoser Pro は現在βテスト中らしいですが、こちらは有償になるのでしょう)。DC に関して言えば、シミュレーション結果をオブジェクトに固めて出力すれば InterPoser でも扱えるのですが…。
 Poser フィギュアでは当たり前のように DC/DH を使用する基上としましては、そこが辛い所で、今まで Poser と連携して C4D を活用出来なかった訳です。
 そこで、BodyStudio な訳です。こっちだと DC/DH とアニメーションも C4D へトランスポート出来ます〜と言う効能書きにつられたわけです。

 だったら、BodyStudio 単体で買っても良さそうな物なんですが、日本では殆ど紹介されていないし〜ひょっとしたら、日本語版では動作しないかも、と言う読みと前述の動機とが重 なってセット版の購入としたわけですが、結果的にその読みは当たっていまいした。つまり BodyStudio は日本語版 Poser を対象にはインストーラーが動かない。
 ついでに、英語版 Poser のインストールについても一言。
 これはうちの環境だけの問題かもしれませんが、P6J がインストールされている PC へ P6E をインストールすると両方とも起動で転けます。同じ PC にインストールしてある P5J は問題なし。P6E と P6J、シリアル違うんですがなぜかどっちも起動出来なくなりました。で、後から入れた P6E をアンインストールして P6J を起動してもダメ、その P6J を一旦アンインストールして、再インストールしても SR1 か SR2 を適用すると、P6J が起動で転けるようになってしまいました…今のところ原因は不明。Win のレジストリに何かゴミが残っている臭いのですが、ざっと見た限りそれらしい痕跡もなく。幸い、そのマシン(“JUDY”です)では P6J は使わないで P5J  ばかり使っているので実害は無いのですが。
 そんな経緯もあって、もう一台(“MARI”)には予め P6J をアンインストールしてから P6E をインストール。こちらはちゃんと英語版で使えています。さすがにコレに P6J を再インストールして“JUDY”での症状が再現するかをトライする勇気は無いな(笑)。

 話がそれたので軌道修正。
 BodyStudio のインストールは前述の通り、英語版 Poser がターゲットでないとインストーラが止まります。
 それから、インストール済みの C4D のバージョンについてR4〜R9まで、それぞれのバージョンについてインストールを実行するか順番に聞いてきますのでちょっと注意が必要でしょうか。
 インストールが完了しても、すぐには使用出来ません。
 同時にインストールされる「license」と言うプログラムを実行して、シリアルNo.をオンライン登録する必要があります。
 ここまで終了すると、C4D 起動時に BodyStudio がプラグインとして使用可能になります。

 BodyStudio が InterPoser と決定的に違う点は、InterPoser によってインポートされた Poser のデータは元のグループ設定に従ってそれぞれが C4D のオブジェクトとして扱われるのに対して、BodyStudio ではインポートされた Poser シーンファイル(.PZ3)が C4D の一つのオブジェクトとして扱われる点です。
 そんなわけで、読み込む.PZ3 ファイルで可視になっているオブジェクトは片っ端から C4D へトランスポートされ、C4D 側では削除も非表示にも出来ませんのでご注意を。なにせ、ひとまとまりのオブジェクトなので、一部分だけを選択とか出来ない…。
 例えば「床」とかは、予め Poser 側で非表示にして.PZ3 ファイルを保存しておかないと、BodyStudio で C4D へインポートされたデータにも「床」が付いてきます。

 BodyStudio による Poser データのインポートは非常に簡単で、まずメニューリストからプラグイン>Poser Object を選んでクリック。すると、オブジェクト・ブラウザに「Poser Object」という項目ができます。ここをクリックして属性マネージャを開き、ここで読み込み元のフォルダを指定するだけ。コレで、読み込み元の. PZ3ファイルから形状データが C4D へインポートされます。
 この時点では形状データのみで、次に「Create materials」をクリックすると読み込み元の.PZ3ファイルからマテリアル設定が C4D のマテリアルタグとして製作されます。

 そこでテストとして、先ずは下のような画像を Poser6E で作ってみました。
Fig.01
 前述の通り、邪魔な「床」は非表示にしてあります。
 コレを C4D へインポートしてレンダリングしたのが次ぎ。
Fig.02
 カメラアングルが違っちゃってるので、かなり雰囲気違いますが(笑)、その辺りはご容赦を。
 一応、DC、DH 共に効能書き通り、C4D へ取り込めるのが確認出来ました。
 背景は C4D で追加して(床オブジェクトに、標準マテリアルの「grass」を適用しただけ)、Skyマネージャーで空を作っただけ。こんな画は Vue でやれ〜とどこからか声が聞こえてきそうですが(笑)。
 Poser6E のオリジナルは無限光3灯にスポット1灯でしたが、C4D のはSkyマネージャの太陽に正面からのスポットが1灯でラヂヲです。
 持ってる銃が黒く潰れてしまっているのは太陽光が強烈だからなのですが、髪の毛の色くすみや服のテカリの不自然さ、お気づきでしょうか?
 読み込まれたマテリアルを開いて気が付いたのですが、カラーテクスチャ設定がすべて「乗算」になっているんですよね。考えてみれば Poser のマテリアルは確かに全て「乗算」。カラーの「乗算」結果にハイライトを「加算」して、ハイライトが出過ぎないようにハイライト色をグレーにするなんての は常套手段。上画像の DC 服は柔らかい陰を出すために「環境色」「環境値」も弄ってました。
 これらが、C4D へ変換されると、少々問題になるようで。先ず、カラーテクスチャの「乗算」。C4D は元カラーにハイライトを「加算」した上にテクスチャが「乗算」されるのか、カラーテクスチャが「乗算」にされるとハイライトが目立たなくなる様子。そこ で、C4D 側で銃や髪のマテリアルについて、カラーテクスチャの設定を「乗算」から「通常」へ変更。ついで、ハイライト色も Poser 設定色の「グレー」から「白」に変えてハイライトが出やすくします。ついでに、銃のバレルのマテリアルには「鏡面反射」も有効に変えてます。
 それから、Poser 側での「環境色」「環境値」の設定は C4D では「発光」タブに反映されるようで、この例では DC 服のマテリアルで「発光」タブが有効になってました。取り敢えず、コレを無効に。
 そして同じ条件でレンダリングしたのが次ぎ。
Fig.03
 フィギュアの肌とかもカラーマテリアルが全部「乗算」になっているんですが、これらを「通常」に変えるとハイライトが出過ぎてハレーション起こしまくりでした。表面がツルツル・テカテカな物は「通常」、柔らかい材質のものは「乗算」のままが良いようです。

 DC に比べて、DH は更に使う人が少ないので、蛇足ですが。
 BodyStudio で読み込んだ Poser データの DH レンダリングには、もの凄く時間が掛かります!
 もう、「実用的じゃないぞ」ってぐらいに。
 最初のレンダリング、一晩経っても終わらないので途中で止めました。
 「Poser Object」の設定項目の下部に「Hair root scale」と「Hair tip scale」と言う項目が有って、これがミソです。
 マニュアルによると『ここの設定値が小さいほど、レンダリングされる髪の毛がスカスカになって、レンダリングが早くなるゾ』と書いてあるんですが…今回のデフォルトで「0.07」、十分小さいと思ってたらとんでもない、でした(笑)。
 結局、「0.04」ぐらいで落ち着きました。まぁ、この値は Poser 側での元データの髪の毛の密度(本数)に振られると思うのでケース・バイ・ケースでしょうが。
 上のレンダリング結果で、ラヂヲのプレパスに3時間、レンダリングに3時間ぐらい。大半が髪の毛のレンダリング時間です。
 つまり、画面上に占める DH の面積が広ければ広いほどレンダリング時間が延びる、と言うことですね。

 それから、BodyStudio でインポートされた Poser データはスケールが倍くらいになります。
 私の C4D 環境では「cm」表示単位にしてるんですが、読み込んだ「Poser Object」のサイズをみると約350cm。Poser 内部でのこのフィギュアの身長は約180cmなので、ほぼ倍になっている計算。
 このスケール問題については、後日ほかのオブジェクトを読み込んだりして、確認したいかと。

 DC にせよ、DH にせよ、C4D にはもっと精度が良くて早い cloth と Hair が有るんだから、そっちを使いたいのが本音なのですが、いかんせん C4D でフィギュアをセットアップするには時間が掛かる〜と言うわけで、Poser フィギュア C4D 移植計画が頓挫している現在ではこういったツールを活用するのも、まぁ、一つの選択肢かな?と。そう言う妥協も必要だよね。
 と言うわけで、今後より一層の C4D 有効活用を計りたい所存。

 しかし、この Tips …と言うよりは「レポート」が、一体誰の役に立つのか?は、考えないことにして今回はお仕舞い。

 


− 了−
 2006/08/27 記


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