<Menu                   <Tips Top > Tips 006 <
Rev.02.01


Poser 用メカ・プロップの製作について(その1・概要)


 毎度毎度、あまり役に立たない内容で恐縮(笑)。
 
 以前から考えていた企画ですが、今回から何回かに掛けて(何回になるかは不明ですが)、Poser 向けのメカ・プロップ(※ボーンや可動部を含むので、Poser の分類上ではフィギュア)の製作について書いていきたいかなと思います。まぁ、基本、自分用の備忘録であることはお約束。
 製作環境など、基上個人の環境が基準となりますので、その辺り一般的でない部分は割り引いて参考に出来る人は参考にして下さい。

 第1回目は基上固有の環境と、製作の流れについて一席。
 
 
1.アプリケーション環境
 
 基上の製作環境は、多分、恐らく、可 成り特異な環境だと思われます。
 ざっと、書き出しますと〜

 Shade7.51 standard : 基本形状モデリング
 Ciname4D : ポリゴン・UV編集、テクスチャ製作
 Poser5(英語版)+SR4 : フィギュアセットアップ
 
上記のほかに、フリーウェアで、

 SHAPER I 1.2 : ポリゴンチェック
 真魚(まな) 2.0.8.0 : pp2/cr2ファイル編集

〜の二つを利用しています。
 上記フリーウェアについて解説しておきますと。
 SHAPER は書き出した .OBJ ファイルに浮遊頂点(※何れのポリゴン面の頂点でもない、単独で浮いた頂点)が含まれていないか、と、MT を適用する際にその動作をチェックするのに大変便利です。
 真魚は、只のテキスト・エディタです。

 さて、メインのモデリングソフトである Shade ですが。
 '08年現在の最新バージョンは R10 ですが、私の使っているのは数世代前の R7.5 。
 実は、R8.5 までは所有しているのですが、R7 → R8 にバージョンが変わった時点で、ポリゴン系のハンドリング方法が「頂点モード」「稜線モード」「面モード」と3種類に分類され(※これは多分、ポリゴンモ デラーなら普通ですが)、基上個人的にはこのモード切替が作業工数の増加にしかならないと言う結果に。しかも、適切にモードを切り替えながら作業しないと 二重ポリゴンや二重稜線が大量発生して、後に UV 展開する際の修正作業が大変。加えて、画面の切り替えが異常に遅く、アプリケーションの動作自体が不安定(※突然落ちる不安が常につきまとう)と言うよう な状況から、R8 から R7.5 へ常用バージョンを戻した次第。
 Shade で作品製作、レンダリングまでやるわけでは無いので、R9 以降のバージョンアップはしない方針で、基上個人としては Shade の最終バージンは R7.5 となっています。
 
 Cinam4D は日本国内ではあまりメジャー所では無いでしょうか。
 まぁ、値段も結構、イイ値段しますし。元々は、BodyPaint 機能を目当てに導入したのでその方向での用途が現状ではメインですが、ポリゴンモデラーとしては当然、Shade よりはまともで優秀ですし、レンダラとしての能力も極めて高く。OS が Win-Vista64 の環境であれば x64 版の C4D が利用できるので、最終的には製作環境は C4D へ統合していくことになりますか。現状では、使い慣れているので Shade を基本形状モデリングに利用し続けていますが。

 最後に、フィギュアセットアップに利用している Poser5E。
 いつぞや(※Poser7 リリース前に)米イ〜フロ(※当時)が無料放出したヤツです。
 pp2/cr2 ファイルに2バイト文字(※日本語)が混じらないように英語版を使用している次第。マテリアル設定とかの互換性も考慮すると当面、 P5 でセットアップしておくのが妥当かな〜と言う程度の理由ではあります。

 以上、アプリケーション環境についてはこんな感じで。
 Shade とか C4D 辺りを使用しているのが、非常に一般的では無いでしょ?。
 
 
2.製作の流れ
 
 では、大まかな製作の流れにつて。

1).構想、資料収集
 先ずは、何を製作するのかを決定します。そして、それに必要な資料を集めます。
 私の場合はオリジナル・デザインの何かの場合と、実在の銃器か航空機を製作する場合に分かれますが。
 オリジナル・デザインメカの場合は、全体のデザイン・ラフスケッチとか、構造や機構のラフスケッチとかを描きます。
 実在の銃器・航空機の場合は資料になりそうな文献や写真の掲載されている雑誌などを手持ちの資料の中からピックアップしておきます。

2).基本形状モデリング
 資料に基づいて、Shade にてモデリングしていきます。基本、Shade 内部での実寸にて。
 可動部を勘案してパーツ単位で、自由曲面で原型を作りポリゴン化、と言うのが基本的な流れです。
 そうやって、必要なパーツを Shade 上で揃えて、.OBJ 形式で書き出します(※Poser 単位に変換)。

3)..OBJ ファイルチェック
 Shade で書き出した .OBJ ファイルを SHAPER に読み込んで浮遊頂点が無いかチェックします。
 このとき、浮遊頂点があれば、SHAPER で再保存して浮遊頂点を削除します。

4).ポリゴン編集・ UV 展開
 .OBJ ファイルを C4D に読み込んで UV 展開( UV マッピング)を行います。
 この時、必要に応じてポリゴンメッシュを調整します。また、同じ形状が連続したり、複数個存在する場合は、UV 展開済みのオブジェクトを複製して配置し直すことによって、UV 展開の作業を効率化したりします。
 UV マップをまとめる都合で、複数のオブジェクトを一つにまとめたりする作業を準備段階に行います。

5).テクスチャ画像製作
 UV 展開と同じく、引き続き C4D 上での作業となります。
 
6)..OBJファイル書き出し
 C4D 上でテクスチャ・マテリアル設定を行ったオブジェクトを、再度、必要なパーツに分割して、それぞれを .OBJ ファイルとして書き出します。
 書き出した .OBJ ファイルは再度 SHAPER に読み込んで浮遊頂点が含まれていないか等をチェックします。

7).Poser に読み込み、組み立て・フィギュアセットアップ
 C4D で書き出した各パーツの .OBJ ファイルを順に読み込み、Poser 上で組み立てます。
 ここで、必要に応じてボーンを割り当てたり、パーツのペアレント階層構造を決定します。
 必要なパーツが揃い、ボーンやマテリアルの各種設定が完了したらライブラリに登録します。

8).cr2 ファイルの編集
 ライブラリに登録した .cr2 ファイルをテキスト・エディタに読み込み、.OBJ ファイルや、テクスチャのパスを修正します。
 また、必要な ERC(※Enhanced Remote Control)コードを書き加えます。

9). 動作確認
 編集済みの .cr2 ファイルを Poser から開き、読み込みや動作などをチェックします。
 ERC 等が意図しない動作をする場合は、再度、テキスト・エディタにて .cr2 ファイルを修正します。

10).ライブラリ登録用サムネイル製作
 .cr2 ファイルの修正が終わり、Poser 上で意図したとおりに動作することが確認出来たら、ライブラリ登録用のサムネイルを製作してライブラリに追加します。

 大まかには、以上でプロップやフィギュアの製作は終了です。
 上記工程はメカ・プロップに限らず、どんなプロップやフィギュアについても共通するのではないかなとは思いますが、あくまで基上個人の自己流であること は付記しておきたいかなと思います。
 
では、次回は上記:2).基本形状モデリングの辺りから細かい内容を記述していきたいかなと言うわけで、この項ここまで。

− 了−
 2008/05/31  記


   <Menu                   <Tips Top > Tips 006 <
Rev.02.01
inserted by FC2 system