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Rev.02.01


Poser 用メカ・プロップの製作について(その2・エッジについて)


 毎度毎度、あまり役に立たない内容で恐縮(笑)。
 
 前回の流れを受けて、なのですが〜プロップの構想とか資料収集とかは全く個人レベルでの話ですので、ここでどうのこうの言ってみても仕方が無く。まぁ、 各自それぞれの事情に合わせてやって下さいとしかいえません。

 そんなわけで第2回目からはいきなり Shade R7.51 でのモデリングについて、に突入。
 そんな感じで、では一席。
 
 
1.Poser での「エッジ」と「折り目角度」設定の事
 
 Shade のオペレーションについては各自、マニュアルを参照していただくことにして。
 元々が人体の表現が主目的だった Poser であるが故、「エッジの立った(※折れ曲がり部分の稜線が認識出来る)」メカ類の表現は得意とは言い難い所があります。
 Poser6 からオブジェクト単位で「折り目角度」なる設定が可能になり、一部改善されはしましたが、とは言えそれも万能ではありません。
 「折り目角度」設定は、設定値より大きな角(※多角形で言うところの「外角」、この場合はポリゴンの表面側が多角形の外側とみなす)をエッジ有り、設定 値より小さな角をエッジ無しと判定してレンダリング時に曲面化するので、滑らかな曲面とエッジの立った角が連続したポリゴンに混在する場合には効力が無い 場合があります。
 例えば、同一角度で折れ曲がって いる連続した3枚のポリゴンがあるとします。このうち、1枚目と2枚目との間は曲面で、2枚目と3枚目との間はエッジを立てたいとすると、一つの「折り目 角度」設定のみで対応することは不可能です。まぁ、極端な例ではありますが。
 「折り目角度」を有効に設定しようとすると、ポリゴン間の折れ曲がり角度をモデリング中に常に管理・把握する必要もありますが、大量の形状を生成するメ カ・モデリングの最中に完璧にそれを行い、且つ、Poser へ読み込んだ後にオブジェクト単位で細かくそれぞれの設定を行うのは手間の問題として現実的ではありません。勿論、出来る人はやればいいですが、 私はそんなことに労力を裂きたくはありません。

 もう一つ、「折り目角度」設定が実装されたのは P6 以降であると言うことも問題ではあります。
 P7 リリース前に P5 が無償配布された経緯もあり、無償版 P5 のみを所有しているユーザーもいるかもしれません。そう言った意味で基上個人としては製作するモデルの対応バージョンを P5 以降としているので、P6 からの機能である「折り目角度」に頼り切るのは不適当かと思っています。まぁ、これは理由としては弱いですが。

 更にもう一つ、Poser 向けにモデルを製作しては居ますが、Poser は元々、Vue 等の別のアプリケーションへデータをエクスポートしてレンダリングされるケース多いアプリケーションです。
 従って、Poser の外部へエクスポートされても形状が保証される方法でモデリングしたい、と言う希望があります。まぁ、他の アプリケーションでは Poser ほど激しく歪めてレンダリングされることはまれでしょうけれど。逆に言えば、P5 でまともにレンダリング出来れば他のどんなアプリケーションへ持っていっても、大概は大丈夫とも言えます(※つまり、P5 が一番厳しい、もしくは酷い)。

 以上のような理由で、基上は「折り目角度」設定値はデフォルトのままで無視しています。
 まぁ、モデル製作中のテストレン ダは基本 P5 で行うので、作業上で無関係なのではありますが。
 以降、記述の中では特に「折り目角度」の設定については触れませんので、予めお断りしておきます。
 
 
2.エッジを立てるモデリング
 
 Poser5 の場合、連続した ポリゴンの折れ曲がりは全て曲面と見なす、が基本です。
 オブジェクトの特性パレットと、レンダリング・オプションとで「スムースポリゴン」が有効の場合にはオブジェクトの輪郭までもが曲面化されますが、特性 パレットかレンダリング・オプションのどちらか一方もしくは両方で「スムースポリゴン」が無効の場合でも輪郭以外のエッジは曲面として処理されていました (※P5 まで、P6 以降は「折り目角度」の設定による)。

fig.01

 上の掲載画像の中央: a. は、Shade で製作した1辺が1メートルの立方体のポリゴン(※頂点数8、面数6)を P5J にてレンダリングした結果です。オブジェクトの特性パレットでは「スムースポリゴン」が有効になっていますが、レンダリング・オプション側で「スムースポ リゴン」を無効にしてあります。
 手前側の頂点付近が激しくハレーションを起こしていたり、辺面に妙な陰が出ていますが、これが
無 理矢理に輪郭以外を曲面として処理しようとした結果で す。
 対して、エッジが立つようにモデリングした両サイドの b. と c. は普通に立方体に見えます。勿論、レンダリング前のドキュメント・ウィンドでは、a. b. c. の何れも立方体に見えていますが。
 これを、レンダリング・オプション側でも「スムースポリゴン」を有効にしてレンダリングすると、下の掲載画像を参照。

fig.02

…と、まぁ、ご覧の通り、何の処理もしてない a. は輪郭までもが丸くなってしまうわけです(※P6 以降は「折り目角度」設定によってはこうはなりません)。
 以上のように、「スムースポリゴン」のオプションを無効にしても、曲面処理されないのは輪郭のみなので、メカのようにエッジの立った形状を製作し、 P5 で正しくレンダリングするためには、モデリング時の処理が必要と言うことになります。

 さて、では上画像の b. と c. はどのような処理を行ったのか、ですが。

 先ずは、b. について。
 これは各ポリゴンの面を全て分離してあります。つまり全ての面が連続したポリゴンではないわけです。
 従って、この立方体ポリゴンは、面 数は a. と同じく6枚ですが、頂点数が 4(点)×6(面)=24 となっているわけですね。
 各面のポリゴンは独立しています が、隣り合う面の頂点同士が同じ座標で重なっているので、結果として連続したポリゴンで出来た立方体に見えるという仕掛けです。

 取り敢えずこの b. の方法を、「面 分離法」とでも名付けましょうか。
 曲面と平面が滑らかに繋がる形状に「面分離法」を適用する場合、曲面の端ポリゴンと平面ポリゴンとを頂点を重ねて面を分離する事になりますが、これを Shade でオペレーションしようとすると次のような手順が考えられます。

1).先ずは基本となる形状を製作してポリゴン化
2).形状を複製
3).形状の平面部ポリゴンを削除
4).複製した形状の曲面部を削除
5).平面部のポリゴンと、曲面部のポリゴンを同一 .OBJ ファイルに書き出し
6).書き出した .OBJ ファイルを Poser に読み込み(※このとき「頂点を融合」オプションは必ず 「OFF」のこと)

 以上のように、はじめから頂点を重ねて面を構成するのは難しいので、一端、連続した形状として製作し、複製して分 離部分を削除する方法が失敗してもやり直しがきくのでよろしいかと。
 
 …と、紹介した上で言うのもなんですが(笑)。
 私はこの「面分離法」を採用して いません。
 その理由は、モデリングが終了してから、更に面分離の作業を行うのが面倒だからです。更に、面を分 離したあとで形状の修正や編集が必要になった場合の頂点の管理も面倒です(※重なった頂点の座 標が完全に一致していないと、面の接続部に隙間が出来る)。
 上の作例のような単純な形状なら管理も編集も楽なんですが、拳銃のフレームやスライド様な複雑な形状となると、面分離の工数も馬鹿になりません。更に、エッ ジの多いメカのパーツ全てについて面を分離していこうとなると、もう、気が遠くなります…

 
3.もう一つの方法
 

 そして、上掲載画像の c. の方法になるわけですが。仮に「エッジ処理法」とでも名 付けておきましょうか(※基上は個人的にこの作業を「エッジ処理」とか「面を押さえる」とか「エッジを立てる」とか呼んでいます)。
 文章で説明すると、可成り難しそうに読めるかもしれませんが…それぞれポリゴン面についてエッジの前後を切断してあります。
 つまり、上面、側面、下面、それぞれのポリゴンが、a. と b. は何れも1枚なのに対し、c. は立方体の一面がポリゴン9枚(頂点数:16)で構成されています。それが6面あるので、全体でポリゴンの枚数は54枚、頂点数では…立方体の辺上にある 頂点は隣の面との頂点と共通なので〜54点になりますか。
 全てのポリゴンは b. とは違って、連続しています。では、なぜ丸くならないか?と言うことですが。
 厳密には丸くなっているのですが、面のエッジ付近でポリゴンを切断してあるため、ポリゴンの折れ曲がり部分の丸め処理がエッジの極近くで行われるので、結果的に丸くなったように見えないと 言う仕掛けです。だから、エッジ部分にカメラを近づけて行けば、エッジが極小に丸くなっているのが見えるはずです。
 エッジ付近のポリゴンの切断はエッジから大きくても1mm、通常、0.2〜0.5mmぐらいの位置で行っています。
 元々、1枚だったポリゴンのエッ ジ付近を切断してあるので、切断部分を境に内側(※折れ曲がりの反対側)の頂点は同一平面上にあるため、 その部分は平面としてレンダリング処 理されます。
 このように、平面を維持したい箇 所は曲面との境目から平面側で切断してやれば、どんな曲面とでも平面を接続する事が出来ます。
 エッジ処理の考え方を図解するとこんな感じでしょうか(↓)。

fig.03 

 この方法はモデリングの最中に処 理が出来るので、モデリング終了後の二度手間になりません。モデリング終了後の形状編集についても頂点重ねの位置ズレとかを心配しなくて済 むので気が楽ではあ ります。
 但し、一つだけ注意しなければならないのは、稜線を移動するような変形を行う場合で、エッジ付近の切断部での平面が維持出来ない様な変形を行うと意味が ありません。その場合は切断部を一端削除して平面に作り直して、形状修正後に再切断するとかの手順が必要ですが〜こんな文章では、やったこ とのない人には 多分伝わらないでしょう(笑)。その辺りは、また別の機会に説明したいかと思います。

 一方、この方法のデメリットは

1).ポリゴン枚数と頂点数が飛躍的に増加する(※データ量が増加
2).細切れのポリゴンが大量発生するため、UV 展開が面倒

等が上げられます。
 ポリゴン枚数や頂点数の増加については、最近及び今後のハードウェアの進化を考えればさほど気にしなくても良い物と思っています。Poser4 の時代に比べれば、CPU の処理能力も搭載メモリの容量も桁が違いますので。
 とは言え、無駄にポリゴンが多いのも考え物なので、「見えない面は作らない」を基本に エッジ処理は行いつつも使用ポリゴンの削減はある程度は可能だと考えています。
 細切れポリゴンで UV 展開が面倒は〜まぁ、C4D の使い方次第で何とか なっていますが。他のアプリケーションで UV 展開を行ったことがないので、他ではこれが苦になるのかどうかも、正直、分かりません。

 いずれにせよ、この「エッジ処理 法」はあまりお勧めはしません
 私はこの方法がやりやすい・考えやすいと思って行っているだけのことです。
 もしもこれからメカ・モデリングをやってみようかと思っている方はどちらが自分に合っているか、まぁ、やってみてから決めて下さい。恐らく、「面分離法」の方が一般的だと 思いますが。



 以上、今回は Poser 向けのエッジ対策に説明が終始しましたが。
 次回は、その辺りも踏まえて Shade 7.51 でいろんな形状を作る際の手順とか注意点とかを
記述していきたいかなと言うわけで、この項ここまで。


− 了−
 2008/06/01  記


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